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買取できないものベスト5~日本の暮らしと時代の変化~
買取店などで物を売る際、「これは買取できません」と言われた経験があると思います。どんなに古いお品でも、需要がなければなかなか再流通が難しいのが現実です。そこには、私たちの暮らしや文化の変化が深く関わっています。今回は、お客様からたくさんのお問い合わせをいただく中で「買取が難しいものベスト5」を通して、現代の文化と需要の移り変わりをご紹介します。
1. ひな人形
春の恒例行事・ひな祭りに欠かせないひな人形は、かつて家庭の歴史を受け継ぐ象徴でした。基本的には、皆様新品を購入して娘の成長を願う習慣が定着しているため、中古品の需要は極めて少ないのが現状です。もともとひな人形は“厄を引き受ける”意味を持つ縁起物の文化が根付いています。そのため、「明治時代」や「江戸時代」などの時代が古い物であればお買取り可能ですが、昭和時代以降の雛人形はお買取りが難しいです。

2. 輪島塗の御膳
漆器の最高峰として知られる輪島塗。その美しい光沢と堅牢さは代々受け継がれるにふさわしい伝統工芸です。しかし、冠婚葬祭や正月やおまつり行事を家庭で行う機会が減った現代では、御膳の需要が著しく低下しています。かつては家族や親族が集まり、仏前や客人をもてなすための大切な道具でしたが、お家の小型化とライフスタイルの変化により、置き場にも困る存在になってしまいました。特に装飾が控えめ(無地)なものや使用感のある品は、お買取りが難しいお品です。ただし、蒔絵が施された華やかなものはお買取りが可能です。

3. 座卓
昭和の家庭を象徴する家具といえば、座卓です。家族が囲んで食事をとり、団らんを楽しむ日本的な風景を思い起こさせます。しかし今や洋風のリビングスタイルが一般的となり、低い座卓を使う家庭は少数派です。そのため、お買取りが難しいお品の一つです。
※ただし、花梨(かりん)などの木材で作られた座卓や螺鈿(青貝)の装飾がある座卓はお買取り可能です。

4. 衝立(ついたて)
室内を仕切る衝立は、かつて和室に欠かせないしつらえのひとつでした。客人を迎える際の目隠しや装飾として活躍しましたが、現代の住宅では和室自体が減少し、使い道が限られています。そのため、一般的な木製衝立や輪島塗などのものは、残念ながら需要が乏しいのが実情です。ただし、花梨や使用したもの、中国図が描かれたものは、インテリア性が高く、買取対象となります。

5. 五月人形
ひな人形と対をなす、男の子の節句に飾られる五月人形。兜や鎧飾りは勇ましさと成長の願いを込めて贈られるものですが、こちらも縁起物であり中古流通が難しいお品です。飾り台やガラスケースが大きく場所を取ることもあり、現代の住宅事情には合わなくなってきました。こうした理由により、一般的な飾り人形はお取り扱いが難しいです。しかし、等身大サイズで実際に人が着用できる鎧や兜は、買取可能です。

価値あるものを、価値あるままに。
石川県の伝統工芸の文化・歴史を未来にリレーするために、
竜宮堂は「伝統文化継承企業」として買取いたします



