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◆骨董コラム◆春日山窯~京の風を受け継ぐ~

古九谷が廃絶してから約100年余後、文化3年(1806年)、金沢の町奉行であった井上井之助らの尽力により、九谷焼の再興を目指して京都から名工・青木木米(あおきもくべい)が招かれました。そして、金沢の東郊、春日山に築かれたのが春日山窯です。
木米は、まず卯辰山(うたつやま)で試作を行った後、一時京都に戻りますが、翌文化4年(1807年)に助手の本多貞吉(ほんださだきち)と共に再び金沢へ来て、春日山で本格的に製陶を始めました。
春日山窯の特色は、赤絵写しを最も得意とし、その他にも中国の陶磁器である交趾(こうち)写し、朝鮮の焼き物写し、そして青磁など、多様な作品が見られます。特に、木米が京都の陶芸家であったことから、その作風には京焼の影響が強く感じられます。
