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◆骨董コラム◆石川県出身 人形作家【紺谷力(こんたにつとむ)】

石川県出身 人形作家【紺谷力(こんたにつとむ)

日本には、木や紙で作った「ひとがた」に災いや病を託し、焚き上げたり川に流すことで厄を祓う古来の風習があります。人の姿を写した「人形」は、魂を映す身代わりとして生まれ、子どもの遊び道具であると同時に、受け継がれた技と心を込めた工芸品として発展してきました。

人形作家・紺谷力(1941-2021)もまた、この伝統を背景に独自の表現を築きました。彼の作品の多くは粘土を用いた土人形で、古くから馴染み深い素材に現代的な工夫を加え、堅牢でありながら温もりある造形に仕上げています。

紺谷は木彫人形作家・下口宗美に師事し、木彫や桐塑を学んだ後、特に塑造彩色の技法を探究しました。1978年には日本伝統工芸展に入選し、その後も受賞を重ね、鑑査委員を務めるなど活躍を広げました。

彼が生み出した人形には、古代の衣装を纏う人々や、黄昏に佇む静かな姿、儀式で楽器を奏で舞う者、さらには神話の世界に生きる存在などが描かれています。その姿は一瞬の情景を切り取ったものでありながら、深い静けさとともに生きる歓びを宿し、どこか懐かしい記憶を呼び覚まします。

 


価値あるものを、価値あるままに。
石川県・福井県・富山県の伝統工芸の文化・歴史を未来にリレーするために、
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